我が家のぬか床

できたてほやほやのぬか床は “捨て漬け” を経て、1週間後には本漬けが可能となる。

けれども、ぬか床が本物のぬか床へと熟成するまでには、じつに半年以上かかるというのが通説。乳酸菌がしっかりと定着、繁殖し、われわれがぬか漬けに期待する効果――健康機能を100%享受できるようになるまでには、気の遠くなる月日が必要なのだ。

それまでは、ぬか漬けといえども、単なる塩漬けのようなもンである。

しかも、そうやって半年が経過しても、自分ちのぬか床にどんな乳酸菌がどのくらい繁殖しているかは誰にもわからない。ぬか床の乳酸菌は、野菜についている種々の菌が各家庭の条件によって繁殖したりしなかったりするからである。

へたを打つと、雑菌や腐敗菌が繁殖する可能性もある。現に、ぬか床がぐずぐすとなり、うまく熟成することなくお蔵入りするといったケースも少なくはない。

が、ぬか床内の乳酸菌の生育具合をわれわれ人間がコントロールする手立てもなくはない。

繁殖させたい菌をあらかじめ、ぬか床へドッカンと植えつけてやるのである。そうすれば、熟成までの期間も短縮できる。手練れの業である。事実、プロの漬け物屋にはこんなことをこっそりおこなっているところも少なくはない。

漬け物屋の裏技をこっそり伝授

 

この際、こだわるべきなのは、菌の種類。

ぬか床と相性のよくない菌(ヨーグルトやチーズなどの乳酸菌)をぬか床で繁殖させようとしても当然ながらうまくいかない。

それに、できるかぎりからだにいい菌を選びたいところでもある。

こうした条件を満たすのが、次の4つの菌だ。

ラブレ菌(ラクトバチルス・ブレビス)

京漬物からみつかった菌。腸内に定着し、腸内細菌バランスを整える作用がある。免疫力を高める。ガンの抑制効果も期待できる。最近、にわかに注目を集めている。

ラクトバチルス・プランタルム

漬け物(ぬか漬けなど)、キムチ、ピクルスの発酵に用いられる菌。さわやかな酸味をかもしだす。

テトラジェノコッカス・ハロフィルス

味噌に多く含まれる菌。ガンの抑制効果があるという説もある。

ペデイオコッカス・ペントサセウス

ピクルスやキムチに多く棲んでいる菌。野菜のあくとえぐみを中和してくれる。善玉菌を増やす働きがある。

 

いずれもぬか床に定着しやすい植物性乳酸菌。こうした菌を植えつけてやれば、ぬか床はすくすく成長してくれる。

注意したいのは、加熱処理されていない、生のキムチやピクルス、味噌でないと意味がない点。スーパーの陳列棚にならんでいるものは論外。生きた菌がいない。漬け物屋は乾燥菌を業者から買っていると聞くが、われわれ素人には入手経路もわからない。

そんななか注目なのが、ラブレ菌。伝統的な京漬物「すぐき漬け」から見つかった菌で、

  • 植物性だからぬか床と相性抜群。
  • ほかの乳酸菌とくらべて腸内に定着する率が異常に高い。
  • 悪玉菌の増殖を抑え、腸内環境を強力に整える。
  • 免疫力アップに役立つ。

など、じつに高い健康機能を誇るのだ。健康増進、疾病の改善、腸内環境の健全化などを目的にぬか漬けを食するのなら、ラブレ菌は見逃せない。

しかも生きた菌が手に入る。

※ラブレ菌のことをくわしく知りたいなら「すぐき菌」か「ラブレ」で検索してみるといい。すぐき漬けの老舗「京都なり田」のホームページも勉強になる。

ラブレ菌を手に入れる方法

 

すぐき漬けの製造元から菌を分けてもらうのは難しいだろう。ところが、調べてみるとうれしいことにラブレの生菌はわりあい簡単に調達が可能。

ラブレ菌といえば、カゴメの乳酸菌飲料「植物性乳酸菌ラブレ」(以下、ラブレ飲料)が有名どころ。ただ、これは1本あたりの菌数10億~(100ml)。熟成ぬか床の菌数は1gあたり10億といわれているからして、どうにも心もとない。

かといって、ラブレ飲料をぬか床へ何本も入れるわけにはいかない。水びたしになる。

そこで目をつけたのはサプリメント。

いろいろ探してみつけたのがこれ。1袋に140億ものラブレ菌を詰めこんでいる。ラブレ飲料14本分。お試し版で安いのがいい。懐が痛まない。ラブレ飲料をぬか床に半分入れただけで、漬け物の風味がぐっとよくなったという声もあるから、これで十分だろう。

ラブレ菌をほうりこんでからというもの、わが家のぬか床はめきめき香りがよくなって、野菜のうまみもぐんと増した。

一家そろって毎朝ドッカン。今日も快便快腸。元気はつらつなンである。