先日、隣で寝ている娘の頭や顔をなでていたら、

「パパの手、なんかくさーい」

と背中を向けられて、心が千々に乱れた。

震える指先で、「ぬか床 手がクサい」とスマホ入力したら、検索結果に「ゴム手袋をつけてかきまぜています」とかいう体験談が出てきて、ほほう、と思い、さっそく試そうとしたのだけれども、“ぬか床の達人”として周囲から仰がれる知人にダメ出しを食った。

彼女によると、ぬか床はどんなにおいも貪欲に吸収するのだとか。もちろんゴム臭もゴム手袋など滅相もない、と鼻で笑われた。

でも、100均のビニール手袋使えばいいんじゃないの、と気づいたので、そうすることにした。人生に関しては、わたしのほうが達人なのだ。ふん。

ちなみにいまはビニール手袋もやめてしまった。

ぬか床になんだか申しわけない気がして仕方なかったからだ。