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【夏場:6時間 冬場:半日~】
塩もみ】【下茹で

 

数年前にテレビで観て以来、死ぬまでに一度は食べてみたいぞ、とか思っていたのが、アボカドのぬか漬け。

今日の今日まで、そんなことはすっかり忘れていたのだけれど、どういうわけだか今宵、妻が買って帰ってきたアボカドを目にしたとたん思いだした。

アボカドを切る

アボカドは熟すにつれ、濃緑色から漆黒へ変色していく。ぬか漬けに適しているのは、熟したアボカドだ。黒っぽいやつね。縦半分に包丁を入れて、それぞれを両の手でつかみ、くいっと逆方向にねじってやると、きれいにまっぷたつになる。それから、おもむろに種を抜く。

あとは、ぬか床へ放りこむだけ。

アボカドのぬか漬け 箸をアボカドへ アボカドを箸で切る アボカドを箸でつかむ
1.6時間でぬか床からひきあげた。
2.箸でつつく。ふにゃふにゃである。
3.すっと切れた。とろけそうだ。
4.箸でつかむ。そいつを口中へ。

ぬか床から引きあげると、果肉の色がくすんだ黄色になっていた。見た目はあまりよくない。

ところが、口にした刹那、こいつあうまい、とつい声が出た。

ぬか床の風味をよく吸っている。いいあんばいの塩味が味蕾(みらい)を刺激する。絶妙の酸味が口中にふわりと広がっていく。

こいつあうまい。もう一度つぶやく。

「欧州で中世から製造されているマボロシのチーズであります。一子相伝の伝統製法で、モンブランにしか棲息していない山羊の乳を使用。十字軍やナポレオンもこよなく愛したという文献が、大英博物館に残っています」

そんなことをいわれても、そのまま信じてしまいそうだなあ。

あとひくうまさ。

ぬか漬けの取り出し方
ぬか漬けが最もうまいのは、ぬか床からひきあげてすぐだ。とりだしたら、水道水でさっと洗って、切って、即刻「いただきまーす!」――こいつが基本。

  • 野菜をぬか床へ入れる時刻 = 食事開始時刻 - 漬け時間

という、“ぬか漬けの定理” を頭に入れておこう。

ぬか床の野菜をとりだす際は、ちょっとワクワク。取り出し方で、ぬか漬けのうまさは変わるもの。

  1. 野菜についているぬかは、しごいて容器へ戻す。
  2. さっと水洗い。ぬかの栄養分を落としすぎない。つまり洗いすぎない。
  3. 食べやすいサイズにカット。見た目も大切。料理は目で楽しむ。
  4. お皿に盛りつける。