八百屋の軒先の野菜

ぬか床の守備範囲は広い。

きゅうりや大根、茄子といった定番から、ブロッコリーやカリフラワー、アスパラガス、果てはじゃがいもや里芋、筍、昆布まで、なんだって漬けられる。

季節の旬の野菜がもつ本来のうまみ、ぬか床との競演によって生まれる、馥郁(ふくいく)たる香り――ぬか漬けならこうしたものが心ゆくまで堪能できるのだ。

ぬか漬け春夏秋冬

 

春 セロリ アスパラガス キャベツ 蕗 じゃがいも
夏 きゅうり ピーマン 茄子 おくら 茗荷 うり ししとう
秋 小松菜 ちんげんさい ブロッコリー かぶ かぼちゃ れんこん
冬 大根 人参 白菜 長芋 カリフラワー 水菜

野菜によって、漬け方は変わる

 

ただし、野菜によってはそのまま漬けられないものもある。塩もみしたり茹でたりといった下処理が必要なケースだ。

ということで、さまざまな野菜の下処理の仕方を次の記事にてご紹介。

どの野菜もぬか床を通過すると、ぐっとうまくなるから不思議だ。

1枚の絵が千の言葉に匹敵するように、ぬか漬け一切れのうまさを言葉で正確に伝えることは困難。いろいろな野菜をぬか床に仕込んで、自分の舌でそれぞれの滋味をたしかめてみてほしい。