ぬか床は生きている。試しにぬか床をシャーレにとって顕微鏡でのぞけば、1gあたり10億といわれる乳酸菌、さらにそのほかの微生物がウヨウヨしている。
毎日適度にかき混ぜて、ぬか床に空気を供給してやることは不可欠。それで、漬け物づくりにフィットする細菌バランスを保つことができる。
ぬか床の正しい混ぜ方
表面と底をごっそり入れ替える感じでやればいい。まんなかはできるだけほじくりかえさないのがコツ。理由はこの2つ。
- まんなかの乳酸菌は空気がないほうがよく増える。乳酸菌はぬか漬けの主(ぬし)だ。
- ぬか床の表面および底部には、空気好きの酵母や、空気嫌いの酪酸菌が繁殖しやすい。きちんと混ぜないと、酵母(産膜酵母という)がぬか床表面に膜を張ったり(薬品臭がすることも)、酪酸菌が異常発酵して異臭(夏場に1日履いたあとの靴下の匂いにそっくり)を放ちだしたりする。
容器3kg以下なら混ぜない
容器が3kg以下と小さいなら、野菜を漬けたりとりだしたりするだけで十分。あえてかきまぜる必要などない。
が、野菜を漬けない日は軽くかきまぜてやろう。
容器は清潔に
かきまぜたあとは容器の縁についたぬかなどをきれいにふきとっておこう。蓋についた汚れもだ。でないと、雑菌が繁殖する。