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Q&A

ぬか漬けの栄養って?

玄米ごはん昨今のヘルシー志向に棹さして、すっかりお茶の間の健康食として知名度をあげた玄米ごはん。美容やアンチエイジングに敏感な人たちを中心に、玄米菜食の人気も高まっている。

それにしても、どうして玄米は、精白米(白いごはん)よりからだにいいといわれるのだろうか。

ご存知の向きも少なくないと思うが、これは、玄米には精米によってとりのぞかれる胚芽の部分が含まれているから。胚芽というのは栄養の宝庫なのだ。そして、その胚芽の別名こそ「糠(ぬか)」。

つまり、ぬか漬けというのは、お米本来の滋養をたっぷりと吸ってできあがる、極上の健康食品なンである。

その栄養分がどんなものかって?

ほいきた、解説しよう。

ぬか漬けの栄養

ビタミンとミネラル

まず、ビタミンやミネラル類がたっぷり。とくにビタミンB群、ビタミンE、鉄分、カルシウムなどが多く、疲労回復効果が高い。アンチエイジングにもいい。

実際、野菜をぬか床に漬けるだけで、その野菜のビタミンB群は5~10倍にも増えることがわかつているそうだ。ぬか床のポテンシャルには舌を巻く。

乳酸菌の力

さらに見逃せないのは、発酵の力。ぬか床には1グラムあたり10億個もの乳酸菌が含まれている。つまり、ぬか漬けを食べるということは、大量の乳酸菌を摂取している、ということになるわけだ。

ぬか漬けを毎日食べていると、腸内の善玉菌がどんどん増え元気になって、腸内の健康状態がみるみるよくなってくる。

腸というのは、いわずと知れたヒトの免疫の急所。腸が元気なら病気知らず、という医師も少なくない。ぬか漬けを毎日数切れ食べるだけで、われわれの元気の源の腸がイキイキ働いてくれるのだ。ぬか漬けの乳酸菌のことをもっと知りたいなら、「ぬか床の乳酸菌の力」を一読してほしい。



ぬか床の正しい混ぜ方って?

ぬか床は生きている。試しにぬか床をシャーレにとって顕微鏡でのぞけば、1gあたり10億といわれる乳酸菌、さらにそのほかの微生物がウヨウヨしている。

毎日適度にかき混ぜて、ぬか床に空気を供給してやることは不可欠。それで、漬け物づくりにフィットする細菌バランスを保つことができる。

ぬか床の正しい混ぜ方

 

表面と底をごっそり入れ替える感じでやればいい。まんなかはできるだけほじくりかえさないのがコツ。理由はこの2つ。

  1. まんなかの乳酸菌は空気がないほうがよく増える。乳酸菌はぬか漬けの主(ぬし)だ。
  2. ぬか床の表面および底部には、空気好きの酵母や、空気嫌いの酪酸菌が繁殖しやすい。きちんと混ぜないと、酵母(産膜酵母という)がぬか床表面に膜を張ったり(薬品臭がすることも)、酪酸菌が異常発酵して異臭(夏場に1日履いたあとの靴下の匂いにそっくり)を放ちだしたりする

容器3kg以下なら混ぜない

容器が3kg以下と小さいなら、野菜を漬けたりとりだしたりするだけで十分。あえてかきまぜる必要などない。

が、野菜を漬けない日は軽くかきまぜてやろう

容器は清潔に

かきまぜたあとは容器の縁についたぬかなどをきれいにふきとっておこう。蓋についた汚れもだ。でないと、雑菌が繁殖する。



まずい、おいしくない、味が悪い、なぜ?

まず考えられるのは、ぬか床にうまみを供給してくれる材料が不足しているということ。ぬか床の味のベースは、昆布と煮干し。これらをくわえて様子をみるといいだろう。

生ぬかも、ぬか床の大切な栄養のもと。水っぽい場合は、足しぬかをおこなおう

ぬか床のうま味のもとになる材料には、ほかにもいろいろ。試してみるのも一手だ。

かつお節 煮干し(いりこ) 干ししいたけ
 かつお節  煮干し、いりこ  干ししいたけ
入れると、ぬか漬けが香り豊かに。下町のソウルフード、ぬか漬けがとっても上品な味わいに。
うまみ成分のイノシン酸が、昆布のグルタミン酸との相乗効果を発揮。ぬか床の味の土台に。
グアニル酸やグルタミン酸など複数のうま味成分が含まれており、複雑かつ奥深い味わいをかもす。
かんきつ類の皮 実山椒 からし粉
 みかん  実山椒  からし粉
風味づけと色づけに使用。ゆず皮をことこと煮て入れたり、みかんの皮を干して入れたりする。
ぬか床の香りがぐんとよくなる。サンショールという成分には防腐効果も見込める。高級食材。
防腐作用がある。乳酸菌や酵母の増殖を抑制する働きも。酸味を抑えるために使用したりする。

それでもダメなら?

 

うまみ増進材料をプラスしてもダメなら、ぬか床の乳酸菌が激減していたり衰弱していたりする可能性がある。ぬか床を食べても、ほとんど酸味を感じないはず。

こんなときは、次のようにしてぬか床を休ませてやろう。

  1. 生ぬかを足すか、水を足すかして、ぬか床のかたさを味噌くらいにする。
  2. 塩分が足りないようなら、追い塩をする。
  3. ぬか床に最も適した温度(20~25度)で、蓋をして放置する。
  4. 表面に白い膜(産膜酵母)が張ったら、かきまぜる。
  5. 1~4を繰り返す。
産膜酵母←表面を産膜酵母におおわれたぬか床。産膜酵母が出現すると、いつもは大騒ぎ。漬け物の風味がぐんと落ちるからだ。でも、ぬか床が弱ってしまった場合だけはちがう。産膜酵母の白い膜は、乳酸菌が働いているかどうかを測るモノサシとなる。乳酸発酵がうまくいっていないと、ぬか床の酸性度が足らず、雑菌が繁殖。産膜酵母が膜を張ることなどできないからである。

日本のぬか床第一人者、ぬか床屋「ぬか床千束」の女将の下田敏子さんによれば、

「いちばん大切なことは、いったん野菜を入れるのをやめ、休息を与えてやることかもしれません。人間だって、ずーっと働いていたら疲れますよネ。それと同じことです。じーっと見守ってやる、乳酸菌のもっている力を信じて発酵するのを待ってやる。そうしているうちに、香りや色が変わっていきます。いい香りになり、熟成度が増したら大成功です」

(『ぬか床づくり 母から子へ伝えたいスローフード』家の光協会から。一部略)

ぬか床の復活までに夏場は1か月冬場は3か月近くかかることもあるそうだ。

あせらず、長い目で見守ってやりたい。



ぬか床の水分が多くなった、どうすれば?

水っぽいぬか床

ぬか床の水分は、野菜から染みだす水。そこには、ビタミンミネラルがたっぷり詰まっている。

ぬか床のまんなかに穴を開けて、水が溜まってきたら布で吸いとる人がいる。水取器を使って、水をとりのぞく人もいる。とてももったいない

ぬか床が水っぽくなってきたなら、生ぬかを足す、これで一件落着だ。

きな粉を入れてもいい。生ぬか同様、水分を吸収してくれる。入れすぎると風味が悪くなるので要注意。

水分が多くなると、ぬか床から腐敗臭がしてくることがある。これも足しぬかですぐにおさまる。

ただし、大豆はやめること。



ぬか漬けがすっぱい、どうすれば?

ぬか床

ぬか床がすっぱいのは当たり前。

そのぬか床で漬けるぬか漬けがすっぱいのも当たり前。

酸味のもとは、乳酸菌がつくる乳酸。すっぱいのは、ぬか床が元気な証拠なンである。

もっとも、人それぞれ味の好みというものはある。

あんまり気になるようなら、こんな手がある。

  1. 足しぬかをおこなって、乳酸菌の密度をさげる。
  2. 漬ける時間を短くする。
  3. 冷蔵庫か冷凍庫に入れて、一時的に乳酸菌を弱らせる。
  4. からし粉か唐辛子を入れて、乳酸菌の増殖を抑える。

ただし、4はあまりおすすめできない。味を壊すことがあるし、入れすぎてとりかえしがつかなくなることがあるから。経験ずみだ。

足しぬかの仕方

足しぬか

生ぬか、水、塩を、それぞれ10:10:1の割合で足せばOK。

 



卵の殻を入れてもいい?

卵の殻ぬか床がすっぱくなってきたら、卵の殻を入れるといい、という意見がある。

たしかに卵殻のカルシウムは酸味を中和してくれる。が、卵の殻には、サルモネラ菌が付着している確率がとても高い。

まかりまちがって、ぬか床内でサルモネラ菌のアウトブレイクが出来したら、家族全員が食中毒にかかる危険性大。

卵殻のサルモネラ菌による食中毒の症状

腹痛、下痢、嘔吐、血便のほか、高熱が出ることも。病人や高齢者など、免疫力が低下している人のなかには、菌血症や敗血症を起こして重症化することもある。死亡例も。

サルモネラ菌の電子顕微鏡写真

わるいことはいわん。卵の殻はやめなはれ。



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